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2013.2.28 衆議院選挙の「一票の格差」判決の行方は

昨年12月の衆院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に選挙無効を求めて起こした訴訟は、全ての判決が3月中に出そろう見通しです。
2009年8月衆院選については2012年3月に「違憲状態」と最高裁で判決が出ています。「違憲状態」とは格差が著しく不平等な場合を、違憲状態が相当期間継続し、 格差を是正する合理的な期間を経過していると判断した場合が「違憲」となります。2009年8月の衆院選から3年を経過した2012年12月の衆院選でも格差は依然として解消されていないことから、 違憲状態の解消に向けた合理的な期間を経過していないかが最大の争点になるでしょう。
そして、違憲状態ではなく、違憲と判断された場合に選挙が無効となるか否かに注目します。選挙無効となる場合は、国会は審議を全て打ち切って、 一票の格差の是正と、総選挙のやり直しに迫られるでしょう。

占的:平成24年12月の衆議院選挙の無効を主張した裁判の判決の見通しはいかん。

得卦:沢天夬の上六

卦辞:夬は王庭(おうてい)に揚(あ)ぐ。孚(まこと)あって號(さけ)ぶ、あやうし。告(つ)ぐること邑(ゆう)よりす。戎(じゅう)につくに利あらず。 往(ゆ)くところあるに利あり。

卦の意味:陽の勢いが盛んで、僅かに残る小人を切る。小人を切るのは当然であるが、先ずは朝廷に於いて小人の罪を明らかにすることが必要。誠意を尽して大衆に向かって呼びかける。 力を合わせて小人を切るが、事が事だけに危険がある。先ずは自分の領地に命じてよく治める、野蛮に動いてはいけない。そうすれば進んでもよい。

爻辞:號(さけ)ぶことなし。終に凶あり。

爻の意味:大声で叫んでも、助けはない、最後に凶運にあう。

上六は唯一の陰爻で、下から5つの陽爻に迫られるかたちです。上六は陰にして小人、押し切られて、凶。5つの陽爻は、世論、一票の格差是正をもとめて行動した弁護士、裁判所といったところ、 1つの陰はく国会と国会議員にあたる。
一票の格差は解消されて当然のことです。放置している国会に対する国民の目は厳しいものがあります。これまでは、最高裁は時間的猶予を与える判決を出して、 国会の反省と行動を促していたと思われます。 最高裁の違憲判断は政治空白という重大な結果を招くので、慎重の上にも慎重に判断されるのは当然のことです。
しかし、国会では選挙制度改革が進むような気配は見えませんし、最高裁が違憲の判決を出したとしても、最高裁が独りよがりの判決を出したとは感じる人は少ないでしょう。 「違憲」と判決する期は熟したと思います。


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