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2013.3.27 日本国債今後3ヶ月の見通し如何。

アベノミクス効果が続いています。黒田新総裁誕生後最初の政策決定会合が来月早々に予定されています。市場は金融緩和を織り込んでいます。金利は低下し 、長期金利は0.5%台に入りました。とうとう、 超低金利であったスイスよりも低くなりました。昨年から金利上昇があるのではないかと 心配していた筆者には少々意外な結果が続いています。今後の3ヶ月を占いました。

占的:日本国債今後3ヶ月の見通し如何。

得卦:沢風大過の九三 

卦辞:大過は、棟(むなぎ)橈(たわ)めり。往くところあるに利あり。亨る。

卦の意味:大過の大は陽をさす。陰は小であり、大過は陽が過度に盛ん。卦をみると真中に4つの陽があり、両端に陰が一つ配される。 棟(むなぎ)橈(たわ)めりは、大過の卦を一本の材木と見ると。真中は陽が充満してしっかりしているが、両端の陰が弱いため、棟にしたら屋根の重さに耐えられずにたわんでいる形になる。 物事にはやり過ぎなければならないときがあり、非常時には敢然と過度の処置を行う。大過のときは君子は過度な行いをするが、亨る。

爻辞:棟(むなぎ)橈(たわ)めり。凶。

爻の意味:九三は剛爻は剛位にいる。外卦の上六は九三が強すぎて助けてやれない。九三は自信過剰で輔(たす)けをうけられないから、失敗して、凶となる。

卦辞では、棟橈。亨る。爻辞では棟橈。凶。と状態は同じでも正反対の占断です。言葉から受ける感じからいうと棟橈は当然に凶と結びつきますが、卦辞では亨と判断するのは、 過度な処置が必要な時にはこれを行うのが君子の道であるから。九三は自信過剰の跳ね上がりであるから、常識どおりに凶の運命に当たるであろうということ。
長期金利の低下は進み、とうとう0.5%台に入りました。筆者には過度な低下と映ります。額面1億円の10年満期の国債を保有しても、一年間に得られる金利は、 わずか50万円程度です。 これまで、国債の価格は値上がりしてきましたが、これ以上の値上がりが見込めるのでしょうか。 確かに、0.5%から0.3%や0.2%に長期金利は低下することも可能でしょう。 しかし、その続きははあるでしょうか、普通預金金利のように0.1%を割り込んで、低下していくでしょうか。普通預金は随時引き出し可能なため、金利が付かなくても需要はあります。 長期の債券は金利が付かなければ、需要はないでしょう。
さて、日本国債の今後3ヶ月の見通しです。過度な低金利は達成されました、結果として亨るのか、他の輔けを受けられずに凶と終わるのか。 筆者は九三の爻辞を重視し、悪いほうの結果を予想します。金融緩和で超低金利を招くも、 経済の上昇にはつながらない、過剰な金融緩和で副作用が生じると予想します。そして、撓んだ棟はいずれ折れるでしょう。


©Tanaka Masao 2011-2013