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2013.12.29 日本国債の今後3ヶ月の見通し如何。

FRBが今月テーパリングを開始したのに伴い、債券利回りが上昇してきました。10年ものアメリカ国債の利回りが3%台に上昇しています。 10年もの日本国債の金利も0.6%から0.7%台に上昇しましたが、小幅な上昇に留まっています。FRBは金融緩和の出口を探り始めたといえましょう。 日本はアベノミクスの開始から1年、日銀の量的質的緩和に出口はないという意見も説得力をもつ見方です。 アメリカが金融緩和の出口に向かう中で、日本はさらに金融緩和を続けられるか。 今回のFRBのテーパリングの市場への影響から、日銀の国債購入が細るという見方が出ただけで、金利が上昇することが分かりました。
海外要因による、日本国債市場への影響が気になるところ。

占的:日本国債の今後3ヶ月の見通し如何。

得卦:風雷益の六三

卦辞:益は、往くところあるに利あり。大川を渉(わた)るに利あり。

卦の意味:益はふやす、益(ま)す。富が益す、積極的に動いてよい、冒険も可能な時。

爻辞:これに益す。凶事にもちうるに咎(とが)なし。中行に孚(まこと)あり。公に告ぐるに圭を用てす。

爻の意味:自分に益してくれと乞う。自分に益してくれと乞うのは君子として恥ずべきことであるが、凶事においては、咎はない。咎がないのは、心に孚(まこと)があり、 位の高い公爵に援助をもとめるに圭玉を引き出物にするからである。

風雷益には上を損(へ)らして、下を益やす。という解釈があります。 この解釈を日本国債に敷衍すると、金利が上がって、政府は支払い利息で減る側、国債保有者の利息収入が増えて益す側と解釈できます。
これからの3ヶ月は金利に上昇圧力がかかりやすい、しかし金利が上がって困るのは日本政府です。積み上がった債務残高はGDPの200%以上、金利が上昇してしまえば利払いで財政は持たない。 物価が上昇すれば、金利も上がる、日銀が物価上昇を達成すれば金利が上昇して財政が持たなくなる。つまり金融緩和に出口はないといわれる所以です。アメリカの金利が上がり始めてしまった今、 影響を受けないわけに行きません。政府、日銀は長期金利が何パーセントになるまで我慢する気でいるのでしょうか、1%でしょうか、2%でしょうか。 臨界点はどこか。金利上昇がソブリンリスクの引き金を引く可能性はたかい。
六三の凶とは何か、金利の上昇が凶にあたると考えます。そして、凶事には他国に援助を乞うことも咎なしとありました。 まことの心で、礼儀正しく援助を乞うことになるようですが、靖国参拝で国際的に孤立した感のある安倍政権のこと、援助を受けるのが上手いとはいえない。 受けられる援助を受けず、国民が困難にあう様な危険を感じます。


©Tanaka Masao 2011-2013