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2月24日にロシアがウクライナ侵攻を開始しました。波乱の始まりです。開戦1か月ほどでトルコの仲介で和平交渉がまとまろうかと思われましたが、
首都キエフ近郊からロシア軍が撤退した後の町や村で虐殺があった騒ぎと相まって和平交渉は棚上げされた感があります。
ロシアが非人道的だとして、NATO側諸国がウクライナに追加の武器供与を表明しつつあります。ロシアが核保有国であり、
ウクライナに加担してロシアから交戦国とみなされ核攻撃の対象とならないためロシアへの対抗を控えていた国々が戦争に巻き込まれていくようにも思えます。
ウクライナ戦争は原油価格、穀物価格を高騰させ物価には上昇圧力となります。開戦当初は生産能力は損なわれないと期待されましたが、ウクライナの穀倉地帯がダメージを受けたようです。
また、ウクライナから国外に逃れた難民は400万人を超え、ルーマニアはじめ難民流入国では難民問題がこれから噴出するはずです。影響は長引くでしょう。
日本からは遠い戦争であり、とりあえずは他人事でロシア向け債権の不良化とインフレ圧力が最初の影響でしょう。日本国債の見通しに対してはインフレ圧力の影響がでます、黒田日銀には悪材料なのは間違いない。これから3か月を占います。
占的:日本国債の今後3ヶ月の見通し如何。
得卦:雷風恆の九四
卦辞:恆は、亨る。咎なし。貞しきに利あり。往くところあるに利あり。
卦の意味:占う人が恆を守り、自分の道を持続するならば当然願い事は亨(とお)り、何の咎もない。しかし動機が貞しくて、その貞しさを持続するのが条件。そうであれば、前進しても有利であろう。
爻辞:田(かり)して禽(えもの)无(な)し
爻の意味:いくらその場に恒久的に居座っても不正な位である以上、何の得るところもない。
令和4年の最初の見通しでは沢天夬の九二を得ました。日本銀行は3月決算末に連続指値オペを3日連続で行う通知を出し、
国債価格と長期金利を抑え込みました。日本銀行の3月決算で国債の含み損で実態債務超過になる事態は避けられたわけです。
今後3か月の得卦は雷風恆、つまり恒久的な態度の時ですからイールドカーブコントロールという激烈金融緩和を継続すると見ます。連続指値オペも繰り出し続けることでしょう。
しかし、爻辞にある通り、田(かり)して禽(えもの)无(な)しとなる。他国はすでに金融は引き締めに入ってるのに、日本銀行だけ緩和拡大に突き進み為替安につながる、柔軟性なく恒久的に激烈緩和をひた走ることになる。
円安とインフレがどこかで堰を切るかもしれません。長期金利の抑圧は得るものなき独りよがりの孤独な戦いの域に入ると見ます。